• 2011-06-15 07:57:53
  • 『人物伝承事典』 東京堂出版
小野一之・鈴木彰・谷口榮・樋口州男 編

本書は古代から中世にかけて「存在」した人物98人を取り上げて解説している。しかし、普通の事典ではない。なぜなら、ここで記そうとしているのはその人物の「実像」のみならず、その人物が同時代、あるいは後世の人々の間でどのような人物として伝承されていくかに主眼を置いて解説しているからだ。例えば平将門の項では、江戸時代をはじめ、様々な時代の将門像について解説される。怨霊となった将門と佐倉惣五郎との結びつきなど、興味深いエピソードも語られる。また、本書でいうところの「存在」した人物とは、必ずしも「実在」した人物ではない。「浦島」や「かぐや姫」なども登場する。それらはもちろん物語の登場人物であるが、そのような人物像が生み出された時代的背景をも解き明かそうとしている。「事典」ではあるが読み物としても楽しめる1冊だ。歴史本を読む際に傍らに本書を置いておけば、さらに奥深い歴史の世界を味わうことができるに違いない。


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