• 2011-06-16 18:19:47
  • 『鉄砲を手放さなかった百姓たち 刀狩りから幕末まで』 朝日選書
武井弘一 著

学校教育の場では豊臣秀吉の一大政策として必ず太閤検地と刀狩りが取り上げられる。これらの政策によって兵農分離が推し進められ、農民は武器を没収されたと。しかし刀狩りの実態は、近年の研究によるとかなり従来の「常識」とは異なることが明らかにされつつある。本書の帯にも「泰平の世の百姓は武士よりも多くの武器を持っていた!」という衝撃的な文言が記されている。なぜそれほど多くの鉄砲を取り上げられもせず、百姓たちは持つことができたのか。その鉄砲は何に使われたのか。筆者はそれらの疑問に対し、一つ一つ丁寧に根拠となる史料をあたり、データを示して答えていく。そこから見えてくるのは、幕府の政策とその政策を実行しようとする役人たち、そして生活を取り巻く自然環境、それらと闘いあるいは融和しながらたくましく生きる百姓たちの姿である。「歴史」は得てして為政者の歴史のみ強調されがちだが、このような庶民の生活が解明されていくことは実に有意義なことだ。本書は近世史研究に新たな1頁を付け加える価値ある1冊だ。



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