• 2011-06-30 06:31:56
  • 『新説 日本史』 日本文芸社
樋口州男 編著

日本史の通史を学ぼうとすれば、まず手っ取り早いのは高校の教科書を読むことだ。高校の日本史教科書は原始から現代に至る日本の歴史がコンパクトに綴られ、しかも一般人には必要にしてほぼ十分な情報を網羅的に扱っている。図版も豊富だ。しかし、残念ながら面白さには欠ける。本書の「あとがき」にも記されているとおり、教科書はあくまで教師が教えることを前提としているから無味乾燥で、読んでいて楽しいとは言い難い。それに対して、本書は歴史の要所要所をピンポイントで解説している(本書はそれをパラシュート法と呼んでいる)のだが、その説明は実に平易で、なおかつ読んで面白い。毎回登場する小さなコラムでは興味深い最新情報にも触れている。教科書のように網羅的ではないにもかかわらず、全体を読んでいくと、不思議なことに通史が見えてくる。執筆しているのが実際に様々な場所で講義を行っている先生方とあって、まさに名講義を聞いているかのような充足感が得られ、ついつい頁をめくってしまう。こんな本を高校時代に読んでいたら、もっと日本史好きになれたかもしれない。サブタイトルには「大人のための教科書」とあるが、大人のみならず、高校生や大学生にもぜひ読んでもらいたい1冊だ。



| main | 『鉄砲を手放さなかった百姓たち 刀狩りから幕末まで』 朝日選書 >>
CALENDAR
<< April 2018 >>
SunMonTueWedThuFriSat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930
SEARCH
ARCHIVES
TAGS

powered by チカッパ!ブログ